最近、ファッションと高級ブランドのマーケティングソリューションプロバイダーであるLaunchmetricsが、最新の研究レポート『Beauty Redefined: How Digital Marketing Is Transforming the Cosmetics Industry(美容市場の再定義:デジタルマーケティングは如何に美容業界をリードする)』を発表した。報告によると、インフルエンサー(Inflencers)は、美容産業のメディア影響力における支配的な力となっている。
Launchmetricsの最新レポート:美容業界のマーケティング影響力の価値は、KOLから55.56%、メディアからわずか19.43%
若い消費者層の拡大は、デジタルマーケティングの変化をもたらす
Launchmetricsの報告によると、世界にミレニアムの人口は24億人に達し、人口の1/3を占めている。 同時に、Y世代の数は高齢者の数の2倍である。この人口の割合の変化は、ブランド戦略の中心的なターゲットグループとして、多くのブランドがミレニアムを見始めるようになった。
これらの若い消費者団体は伝統的な世代の消費者とは異なり、テレビで購入することはめったにない、ショッピングの意思決定はソーシャルメディアのオピニオンリーダーの推薦の影響をよく受ける。『Targeting Millennials in Beauty Innovation Report 2017』によれば、ミレニアムの63%は、ブロガー/ユーザーのレビューやブランディングに直面して、前者を信頼する意欲が強いと言った。
昨年、ブログプラットフォームBloglovinで公開された調査では:
マーケティング担当者の約1/3は、KOL(オピニオンリーダー)マーケティングは統合マーケティング戦略の不可欠な部分であると信じている。
41%はKOLマーケティングが従来のマーケティング手法より優れていると考えている。
調査の対象となったブランドのうち、KOLのマーケティング予算が63%、ブランド予算が24%以上増加したのは44%であった。(詳細は「Glory」のレポートを参照してください:米国の最新調査レポートによると、63%のブランドはKOLマーケティングの予算を増やした)
オピニオンリーダーの分類
このレポートは、美容業界のKOLを3つの大きなカテゴリーに分類している。
Vloggers(ビデオブロガー):Statista統計によると、ソーシャルソフトウェアYouTubeにおいて美容関連動画のクッリク数は880億で、2016年の550億ドルから大幅に増加している。現在、Vloggerはソーシャルメディア上の影響力を過小評価できない。
Celebrities(有名人):Rihanna、Kylie Jenner、Jessica Albaなどに代表される。既存のファングループに基づいて、独自の美容ブランドを作成している場合でも他のブランドと協力している場合でも、このKOLはブランドの知名度を大幅に向上させることができる。
Makeup artists(メイクアップアーティスト):ソーシャルメディアとデジタルマーケティングの登場により、これらの人々の人気と影響力は絶えず向上している。例えば、メイクアップアーティストMario Dedivanovic氏は、Kim Kardashian West(キム・カルダシアン・ウェスト)から多くの称賛を受け、現在Instagramのファンの数は500万を超えている。
また、KOLをファンの数に応じて4つのカテゴリに分類できる。
Micro Influencers(スモールインフルエンサー、ファン数は1万〜10万人)
Medium Influencers(ミディアムインフルエンサー、ファン数10万〜50万)
Macro Influencers(マクロオインフルエンサー、ファンの数は50万〜200万)
Mega Influencers(メガインフルエンサー,ファンの数>200万)
関連結論:高級ブランドは、ファンの数がより多くのMacro InfluencersとMega Influencersによって影響力を拡大する傾向があるが、大衆ブランドは、ファンの数が比較的に少ないMicro InfluencersやMedium Influencersによって影響力を強める可能性が高い。
ブランドのKOLマーケティング方式の選択
Launchmetricsのレポートによると、美容ブランドは、次の6つの方法でKOLと協力してブランドの認知度を高め、売上を拡大し、ブランドのロイヤリティを構築する。
Shopping Hauls(ショッピングの戦利品を紹介する動画):Shopping Haulsをスポンサーして、KOLがブランド商品を動画に具体的に紹介させ、さらに、ブランド製品の利点を動画で賞賛し、ブランド認知度の向上に大きな効果をもたらうことができる。
My Favorites(気に入りなのアイテムを紹介する動画):KOLと協力し、ブランドの商品をお気に入りのアイテムに入れ、これらのブランドについてより多くの時間をかかって紹介することができる、それにブランド購入のリンクを画面に表示する。
Tutorials(メイクアップ指導動画):KOLが美容教室のビデオでブランドの製品を使用するようにして、メイクアップ技術を学んだファンが同じ製品への「買い物欲」を高まることができる。Statista統計によると、2017年7月まで、Beauty VideoはYouTubeで最も人気のある美容コンテンツであり、美容コンテンツの総再生回数の34%を占めている。
Unboxing(開封ビデオ):Vlogger(ビデオブロガー)の登場により、「開封ビデオ」ビデオが生まれた。つまり、美容ブランドが新製品をKOLに送り、KOLが詳細な紹介を行う。新製品のビデオが届きました。このような協力形態は、主に新製品の認知度を高めるためのブランドに適用される。
Giveaways(賞品ビデオ):KOLは、協力ブランドの商品をクイズやアンケートなどの形で特定の数のファンに賞品として贈る。これは、KOLがファンを増やし、ブランドが自社製品を宣伝するのを助ける、ウィンウィンの協力アプローチである。
Events(イベントの共同開催):Y世代の消費者にとっての体験の重要性を考慮して、ブランドは、製品のリリースミーティングや店舗開店時にKOL を招くなど、KOLとのイベントを組織することによって、消費者を惹きつけている。
Launchmetricsの別のレポート『2018 State of Influencer Marketing (2018年KOLの市場影響力)』によると、回答者の30%は、主にイベントでKOLと協力することを選択したと回答した。
KOL影響力の分析
このレポートによると、ファッションと贅沢品のメディアのマーケティング影響力はそれぞれ68.61%と66.53%であったが、美容業界のマーケティング影響力はKOLから55.56%、メディアからは19.43%だった。
美容業界のKOLのブランドに対する忠誠心は、ファッションやラグジュアリー業界のそれよりも低いことが報告されていることは注目に値する。これは、ある程度、美容ブロガーがメイクを展示するために多くの異なるタイプの製品を使用することに関わっている。美容業界のKOLは、多くの場合、ポストに複数のブランドに言及している。たとえば、美容KOLのTati Westbrookは、ソーシャルアカウントに10の美容ブランドを挙げているが、ファッションKOLのGigi Hadid 3つのファッションブランドを紹介しかない。
また、YouTubeは(国際的な)KOLが一般の人と交流する主要なチャンネルであるとも述べている。 このデータは、Instagramがライブ放送、テレビなどの機能を開始したものの、ファンの数にかかわらず、KOLはYouTubeでより多くのインタラクティブなエンゲージメントを受けている。
また、大衆ブランドは、高級ブランドよりもKOLのマーケティングに依存していることが示している。大衆ブランドのメディアインパクトバリュー(Media Impact Value、以下はMIVと称する。)のKOLは60.45%、高級ブランドのKOL のMIVは51.62%だった。その比率は、高級ブランドのメディアの影響力が大衆ブランドよりも強いことを示している。
インターネット上でのブランドイメージと熱意に対するKOLの影響はますます重要になってきている。この前、Launchmetricsが発表された2018年の春夏ファッションウィークにおける「KOL」の影響についてのData on the Runwayも、KOLの投稿は全体の引用量のわずか3%~ 7%しか占めていなかったが、ファッションウィークにおけるインタラクションの総数に対する4つのファッションサイクルの間に生成されたインタラクションの割合は、ニューヨーク(57%)、ロンドン(33%)、ミラノ(34%)、パリ(43%)である。
元のソース:Launchmetricsの最新レポート:美容業界のマーケティング影響力はKOLから55.56%、メディアからはわずか19.43%