近年国内外で発展の著しい「インフルエンサーマーケティング」だが、その中でも、「マイクロインフルエンサーマーケティング」が2017年ころ一躍して、各業界で盛んに行われてきた。ただし、ブランドの認知を拡大する段階で、国内のマイクロインフルエンサーと手を組んでマーケティングを行うだけで、効果は限られると思える。そこで、AsiaKOLアジア達人通は、外国のマイクロインフルエンサーを起用した健康食品ブランドのインフルエンサーマーケティング事例を通して、高い宣伝効果が期待されている海外マイクロインフルエンサーの活躍についてこの記事で解説していく。
今注目の「海外マイクロインフルエンサーマーケティング」で海外進出へ
マイクロインフルエンサーは、フォロワー数が1〜10万人未満のインフルエンサーである。100万人以上のフォロワーを抱えている「トップ/メガインフルエンサー」よりフォロワー数は少ないものの、ある特定の分野に影響力が高く、フォロワー属性がある程度理解しているため、効果的なマーケティングが期待されるのだ。それに依頼料金も比較的に低いので、インフルエンサーマーケティングに力を入れている企業から注目が高まり、企業が海外市場進出するときのマーケティング施策として重要視されている。そこで、AsiaKOLアジア達人通(以下、AsiaKOL)は今回、海外マイクロインフルエンサーマーケティングを実施した健康食品ブランドに焦点を当て、海外マイクロインフルエンサーマーケティング効果について調べてみた。まずは国内と海外のマイクロインフルエンサーの両方を起用した日本の健康食品メーカーの事例を見てみよう。ネット上の健康食品関連の口コミを分析したところ、インフルエンサーとして起用された台湾俳優の「王上菲」さんと日本人マイクロインフルエンサーの「紅しいな 祐希」さんは二人とも、Instagram上のフォロワー数が3万人未満だが、同じ商品を紹介した投稿の「いいね!」数において、後者よりも前者のほうがかなり多く獲得し、投稿に関するクチコミ数も2千件近くあった。投稿で紹介された商品が実店舗で販売しているかというファンからのコメントも寄せられた。
商品認知度向上に貢献している香港インフルエンサー 影響力がマカオや台湾まで及ぶ
そして、日本の他に、香港の健康食品ブランドも続々と海外市場へ進出した。香港の健康食品ブランドとコラボした香港インフルエンサーのPR事例を見てみよう。元ニュースキャスターの「陳嘉倩」さんがマイクロインフルエンサーで、ビューティーセンターの創業者である「唐安麒」さんが10〜100万人未満のフォロワーを抱えているミドルインフルエンサーである。二人とも主にFacebookで活動しており、インフルエンサーとしての人気がかなり高い。「陳嘉倩」さんはよくキャンペーンや割引・特典情報をあわせた商品レビューを投稿して、ファンの購入意欲喚起を図っている。一方、「唐安麒」さんは美容のプロとして、体の毒素を出してくれる「毒だしレシピ」など専門知識を生かしたコンテンツを紹介しながら、商品やサービスについて説明を加えて投稿している。両事例をさらに分析したところ、二人はFacebook投稿のコンテンツを作成する時、いつも「テキスト+画像」という形で読みやすいように工夫している。そうすることで、ほかのプラットフォームでは取り上げきれない商品・サービスのベネフィットなどについて詳しく説明することができる。また、二人とも香港以外にも、マカオや台湾までファンを抱えているため、PR投稿がうまくシェアされており、商品の海外での認知度向上にもつながった。
低コストで広告効果最大化 商品試飲動画でファンの心を掴んだ韓国の美人マイクロインフルエンサー
さらに、台湾の酵素ドリンクブランドも「海外マイクロインフルエンサーマーケティング」の波に乗って、韓国の美人マイクロインフルエンサーとのコラボを通じてブランドのイメージ向上を図った。先述した、長文のテキストを用いた訴求に適しているFacebookの利用でインフルエンサーマーケティングを行った香港の健康食品ブランドと違って、台湾の酵素ドリンクブランドはInstagram上でプロモーションを行った。同ブランドによると、自社商品のターゲットとなる顧客はInstagramを利用しているユーザーが多く、Instagramのコンバージョン率も他のプラットフォームより高いので、購買行動につながりやすいInstagramを選んだという。そして韓国の美人マイクロインフルエンサーさんたちに、PR動画の中で酵素ドリンク商品の飲み方を紹介してそのまま飲んでみてもらい、素直に感想を語ってもらった。そうすることにより、ファンとの距離感が近くなり、信頼関係が形成されやすい。つまり、ブランドや商品の認知度やイメージを向上させるには、プラットフォームの特徴をうまくつかんでマーケティングを行うことがポイントである。
近年では各業界で海外マイクロインフルエンサーと提携する企業が多くなったため、市場競争が一層激しくなっている。前述の事例からわかるとおり、企業が海外進出する際に、外国のマイクロインフルエンサーにPRを依頼する時、自社ブランドや製品・サービスと相性のよいインフルエンサーを選ぶことが重要である。また、フォロワー属性が自社商材とマッチしたプラットフォームの選定も大事。さらに、投稿のコンテンツ作成に工夫を凝らしたら、低コストであっても、海外でのブランド認知を大幅に向上することが可能ので、より効果的なマーケティングが実現できるのだ。